女性の頭皮トラブルの代表的な症状と言える「頭皮のかゆみ」。実際わたしが皮膚科に勤務していた時、頭皮トラブルで受診される方の約半数に「頭皮のかゆみ」の症状がありました。

ついポリポリかくのがくせになって気づいたら炎症をおこしてシャンプーがしみて痛い!それにかさぶたやフケだらけ!という状態になってから受診される方を多く見てきました。症状が進むとそれだけ治療にも時間がかかってしまいます。

かゆみからの頭皮の炎症は薄毛や抜け毛を引き起こす原因になることもあるんです!頭皮のかゆみは季節の変わり目だからかな?なんて楽観視せず重症化する前に早めに対策していきましょう。

ガマンできない頭皮のかゆみ!

ガマンできない頭皮のかゆみ!
頭皮は髪の毛に守られていることと直接見える範囲でないことから、普段あまりじっくり見る機会はないですよね。ですので意外に思われるかもしれませんが、実は頭皮ってとってもデリケートなんです。

頭皮の皮脂分泌は顔のTゾーンの2倍もあり、髪の毛も密集して生えているためとても汚れやすいと言えます。さらに紫外線や外気による影響を受けやすく乾燥しがちなのにこまめにケアがしにくいですよね。

そのため皮膚本来が持っているバリア機能がちょっとした刺激で低下してしまい、頭皮トラブルとしてかゆみが出てしまうんです。

目で見えない分、かゆいと感じるとついかいてしまうのも症状が悪化しやすい原因です。かゆみってガマンするのは本当に難しいので、そもそものかゆみが出ないようにこれからしっかり対策していきましょう!

女性の頭皮のかゆみの原因とは?

女性の頭皮のかゆみの原因とは?
人知れず多くの女性が悩んでいる頭皮のかゆみ。対策にはまずかゆみの原因を知ることがとっても重要です!おもなかゆみの原因をチェックし、あてはまるものから原因を特定していきましょう。

  • 頭皮の乾燥
  • 合わないシャンプーの使用やシャンプー方法の間違い
  • ストレス
  • 食事や洗髪不足
  • 皮膚の病気

わたしたちの皮膚は、皮膚の表面の角質層という部分のなかにある保湿成分(セラミドや天然保湿因子)が水分を保ち、その角質層を皮脂でできた皮脂膜というベールで保護することで外的刺激から体を守るバリアの役目をしています。

そのため皮脂が必要以上に取り除かれたり、強い紫外線や摩擦などでダメージをうけ乾燥するとバリア機能が低下し、外的刺激を受け頭皮トラブルを起こしやすくなります。

皮膚は刺激を受けると自己防衛として「皮膚をかいて危険を排除しよう!」と皮膚をかきたくなるようにかゆみを引き起こす物質を放出し、対策します(ヒスタミンなど)。
ちょっと長くなってしまいましたが、これが皮膚の乾燥がかゆみを引き起こすメカニズムです。乾燥→かゆみの密接した関係がお分かりいただけたでしょうか?

合わないシャンプーの使用やシャンプー方法の間違い

洗浄力の強いシャンプーや香料や防腐剤などの添加物が多く配合されているシャンプーを使っていると、刺激により頭皮トラブルを起こしてしまう場合があります。そして炎症を起こしかゆみが生じます。

シャンプー中の画像

女性の場合は年齢や生理周期によって皮脂の分泌量が変わり、皮膚のバリア機能に差が生じるためいつも同じシャンプーを使っていても時期によって頭皮トラブルを起こすことがあります。

そんなデリケートな女性の頭皮のために避けたいシャンプーの成分が「ラウリル硫酸」や「ラウレス硫酸」といった合成界面活性剤です。これらは安価で泡立ちがよくスッキリ汚れを落としてくれるといった手に入れやすさと使用感の良さがあります。

しかし、この「ラウリル硫酸」は洗車用洗剤にも使われるほど洗浄力が高いんです。すっきり汚れが落ちるのは当然で、むしろ必要な油分まで根こそぎ落としてしまいます。

先ほども書いたように女性の頭皮はとってもデリケート。皮膚のバリア機能が働かないと頭皮のかゆみからさらに進んで薄毛や抜け毛になることも!対策としてできるだけ刺激が少なく、ご自身のお肌にあったシャンプーを選びましょう。

また、シャンプー方法も頭皮トラブルにとって重要です。あなたはこんなシャンプーしていませんか?

  • 41℃以上の熱いお湯や水圧の強いシャワーで洗っている。
  • 髪をざっと濡らしてすぐにシャンプーを直接髪につけて洗っている。
  • 力強く頭皮に爪を立てながら洗っている。
  • すすぎは髪の毛に泡が残らない程度ですませている。
  • トリートメントは頭皮にもまんべんなくつけている。
  • シャンプー後はタオルドライのみ、もしくはドライヤーをかけるまでに20分以上間隔がある。
  • ドライヤーは毛先中心にかけ、すこし根元がしっとりしていても気にしない。

実はこれはかゆみなどの頭皮トラブルにとってNGなシャンプー方法です!あてはまる部分があった方は、後ほど正しいシャンプーについてくわしく書きますのでぜひ今日から改善していきましょう。

ストレス

ストレスに悩む女性

ストレスは頭皮のかゆみのみならず、様々な病気の原因として認知され始めていますよね。ホルモンバランスを乱すことから難治性の大人ニキビの原因になることも有名です。
ホルモンバランスと抜け毛の関係については<ホルモンバランスと抜け毛の関係&薄毛改善方法>で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

頭皮においては自律神経の異常を引き起こしたり、血行不良を起こすことがしられています。どちらも新陳代謝を停滞させ、頭皮環境の悪化をまねきます。

さらに「ストレスを感じると頭皮をかく」という動作をする方多いこともあげられます。思考が絡まってごちゃごちゃになった時など、わしゃわしゃっと頭をかきむしりたくなる衝動ってありますよね?

マンガやドラマなどでよく見るためイメージとして刷り込まれているのかもしれませんが、頭皮のためにはやめておいた方がいいでしょう。実際かきむしってもスッキリしませんしね。

ストレスが薄毛の原因に?>ではストレスが抜け毛・薄毛を起こすメカニズムをご紹介しています。

食事や洗髪不足

すごく辛い食事や熱いものを食べると頭皮に汗をかきますよね?その汗を放置するとしばらくしてかゆみが出ることがあります。また、2~3日以上洗髪しないと頭皮が脂っぽくなりかゆみが出ることがあります。

これらは頭皮に汗や皮脂がつき毛穴をふさいでしまうことから、頭皮が軽い炎症を起こしてかゆみが生じると考えられます。適度な発汗や皮脂の分泌はもちろん必要ですが、過剰な発汗や皮脂の増加は頭皮環境を悪化させてしまいます。

皮脂と女性の薄毛に関しては<女性の薄毛と脂性の関係を大公開!>でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

皮膚の病気

頭皮のかゆみの原因として皮膚の病気が隠れていることもよくあります。実際はだいぶ症状が進んでから皮膚科に受診される方が多いので病気とすぐにわかるのですが、初期段階では分かりにくいこともあります。

以下に女性の頭皮のかゆみの原因になりやすい病気をあげますので、症状に気になるところがあったら早めに皮膚科を受診することをおススメします。

頭皮湿疹

頭皮の病気の代表ですが、様々な皮膚炎を総称していて診断が難しい病気です。

乾癬(かんせん)

境界がはっきりした盛り上がりのある赤い発疹の表面を白い垢が覆っている症状が特徴で、原因はわかっていません。頭皮や生え際に最初に出ることが多く、全身に症状が出ます。

表面の垢がフケのようにポロポロ剥がれおちますが、かゆみは約半数の方にしか出ないと言われています。男女比は2:1と男性が多く、女性は20代と50代に多くみられます。

頭皮や生え際のみに症状がある場合は脂漏性皮膚炎など他の病気との識別が難しいため、ご自身での判断は避け皮膚科を受診してくださいね。

ニキビ

頭皮のニキビは顔や他の部位にできるニキビと同じで、毛穴に皮脂が詰まりニキビ菌が繁殖することから炎症を起こす病気です。炎症がおこるとかゆみを伴うことがあります。

頭皮に触れた時に発疹に気付くことが多く、炎症の程度によっては痛みをともないます。頭皮の刺激を避け清潔を保っていれば自然に治ることもありますが、炎症が深い場合や、ニキビの数が多い場合は治りにくいため皮膚科の受診をお勧めします。

シラミ症

皮膚に寄生し吸血する虫に感染し発症します。アタマジラミ、ケジラミ、コロモジラミの3種類がいますがコロモジラミは現在日本にはほぼ見られません。アタマジラミは子供の間で感染することが多く、ケジラミは性行為で感染します。

どちらも皮膚を咬まれるときに混入する唾液によりかゆみが出る場合が多く、目で卵を確認できる場合が多いです。治療には専用のシャンプーがあり、特別な使い方をします。

家族内感染をしますので、寝具やタオルなどの共用にも注意が必要で駆除できるまではちょっと大変ですが対処方法がわかれば怖い病気ではないのであまり不安にならずにしっかり対策しましょう。

ソファーのヘッドレストなどを介して感染することもあるため、皮膚科受診の際は院内感染を防ぐためにも必ずすぐに受付で「シラミかもしれない」ということを伝えてくださいね。

蕁麻疹(じんましん)

アレルギー性の疾患で虫さされのような赤く少し盛り上がった膨疹(ぼうしん)が出ます。原因は食べ物やハウスダストなどもありますが、不明なことも多い病気です。

頭皮のみでなく全身に症状が出ますがかゆみと熱感が強く、症状が出てから数時間でおさまることが多いですが、夜になると出たり疲れがたまると出るなど繰り返すことも多くやっかいです。

治療は抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服が主になりますが、原因が分かる場合は原因の除去も効果的です。原因の特定に役立つ血液検査も内服薬の処方も皮膚科でできますので疑わしい場合は皮膚科の受診をオススメします。

薄毛の原因?放置厳禁!頭皮湿疹とは?

薄毛の原因?放置厳禁!頭皮湿疹とは?
先ほども書いたように頭皮湿疹は頭皮の病気の代表とも言える病気です。なんとなくのかゆみから始まり、重症化すると慢性的に皮膚がただれ毛根が萎縮し薄毛や抜け毛につながることも!早めの対策が必要です。

頭皮湿疹の症状

  • 頭皮にかゆみが出る
  • 頭皮が赤く炎症を起こしている
  • 小さなブツブツができる
  • 頭皮が乾燥してフケが出る
  • 頭皮が脂っぽくベタつく

乾燥したりベタついたりと相反する症状が挙げられますが、これらはすべて頭皮湿疹の症状です。原因によって症状が変わることもありますので、まずは頭皮湿疹の原因をしっかり見ていきましょう。

頭皮湿疹の原因

接触性皮膚炎

いわゆる「かぶれ」の症状が出ることが多く、赤く腫れて熱感やヒリヒリ感をともなうことも多いです。シャンプーやパーマ、カラー液などによるものから帽子にいたるまで頭皮に直接触れるものが原因で起こります。

触れてすぐに症状が出る場合と、継続使用によって徐々に症状が出る場合がありますので、原因の特定には2週間ほど前までさかのぼって思い当たることがないか見てみる必要があります。

接触性皮膚炎の場合、原因を除去できれば改善することがほとんどですので、対策としては原因と考えられるものの使用をやめてみましょう。改善がなければ別の病気かもしれませんのですぐに皮膚科を受診しましょうね。

皮脂欠乏性皮膚炎

こちらは脂漏性皮膚炎とは逆に皮膚の過乾燥によって起こります。エアコンや外気、紫外線によるものや洗浄力の強いシャンプーによる洗いすぎなども原因の1つです。感動肌や敏感肌の方に起こりやすいという特徴があります。

症状はかゆみと頭皮のガサつき(ひび割れることもあります)と乾いた細かいフケが特徴です。また、季節的に乾燥しやすい秋〜冬に症状が出たり悪化しやすいとも言えます。

治療は初期段階であれば保湿とシャンプーの見直しで改善することが多いですが、放置して重症化した場合にはステロイド剤の使用やかゆみ止めの内服が処方されることもあります。

アトピー性皮膚炎

こちらは皮膚科ではとてもポピュラーな病気で、皮膚の強いかゆみとともに赤みをともなう発疹が出ます。落屑といって角質の表面が剥がれ落ちる症状も出るため、フケのように見えます。

症状が進むと皮膚のダメージに修復が間に合わず、未熟な細胞が表面に出てしまうためどんどん皮膚が硬くなり、治りにくいだけではなく毛が抜けたり生えなくなるリスクがあります。

頭皮のみでなく全身の特に皮膚の薄く柔らかい部分に症状が出やすく、原因はわかっていません。子供から大人までどの年代でも突然発症することがあり、遺伝の可能性もあると言われています。

原因不明のため、治療は対症療法として全身の保湿と炎症部分へのステロイド剤の塗布や免疫調整薬の塗布(特に顔部分に対して)、かゆみ止めの内服などをしながら長期的に皮膚の状態を良好に保つケアをしながらかゆみをコントロールしていきます。

アトピーは治療が長期にわたることから皮膚科選びも大切です。「もしかしてアトピー?」と思って受診される際は、アトピー治療を重点的に行っている皮膚科専門医のいる皮膚科を選んでくださいね。

いかがでしたか?頭皮湿疹にはさまざまな病気があり、それぞれ原因や治療が異なるため、「ちょっと頭皮がかゆいな」と思ったら頭皮の状態をよく確認して異常があればすぐに皮膚科を受診してくださいね。

異常を見分けるにはまず自分の健康な頭皮がどういう状態なのかを知っておくことも大切です。後頭部やえりあしなど自分で確認しにくい部分は写真に撮っておいてもいいと思います。いざというとき大事な判断材料になりますよ!

女性の頭皮のかゆみ改善方法とは?

女性の頭皮のかゆみ改善方法とは?
それではここからは頭皮のかゆみの改善方法を見ていきましょう!かゆみは皮膚科の受診が必要なケースも多い頭皮トラブルですが、ちょっとしたケアで改善できることもありますのでじっくりご覧くださいね。

シャンプー剤の見直し

シャンプーボトル

先ほど書いたように、洗浄力の強いシャンプーはかゆみの原因になることがあります。女性の頭皮のかゆみ対策のためには「アミノ酸シャンプー」の使用がオススメです!

アミノ酸シャンプーは人体と同じアミノ酸でできており、安心して使える上に洗浄力がやさしいため必要異常に皮脂を除去することがなくかゆみ肌ケアにもオススメできます。

「ラウロイルメチルアラニン」「ココイル◯◯」「◯◯ベタイン」などが成分表示の始めの方に書いてあればアミノ酸シャンプーですのでオススメできますが、「アミノ酸配合シャンプー」の場合は注意が必要です。

ラウリル硫酸などの合成界面活性剤がメインで、アミノ酸を少量だけ加えたものでも「アミノ酸配合シャンプー」と記載しています。シャンプーを選ぶ際は成分表示をしっかりチェックしてくださいね。

シャンプーの成分については「シャンプーの洗浄成分の種類と特徴」でくわしくご紹介しています。

シャンプー方法や乾かし方の見直し

シャンプーを見直した後は、髪と頭皮の洗い方も見直してみましょう。
先ほどお話したNGシャンプー方法に当てはまっていれば、できるだけ早く正しくシャンプーするようにしましょう。

また、雑菌の繁殖と生乾きの蒸れによるかゆみの予防のためにはしっかり乾かすことがとても重要です。
正しい髪の洗い方で頭スッキリ!間違ったシャンプーが頭皮トラブルの原因?!」で正しいシャンプー方法や乾かし方をご紹介しているので、ぜひご覧ください。

頭皮の保湿

頭皮の保湿には育毛剤がおすすめ

頭皮の乾燥もかゆみの原因の1つなので、ぜひ頭皮の保湿を始めましょう。頭皮の保湿には頭皮用の保湿ローションやスプレーも販売されていますが、私がオススメするのは女性用保湿育毛剤です。

「育毛剤で保湿ができるの?」と思われた方もいると思います。男性用の育毛剤はメントールなどを配合し使用時の爽快感を売りにしている商品が多いですが、女性用の育毛剤はニオイがなく保湿を重視した製品が圧倒的に多いです。

女性用の育毛剤は天然由来成分の使用や無添加といった肌にやさしい製品が多いことも特徴で、はじめて育毛剤を使う方にも安心していただけると思います。

人気の育毛剤はトップページで紹介していますのでぜひチェックしてみてくださいね。

ストレス解消と食事の見直し

ストレス解消と食事の見直しは頭皮のかゆみのみならず、全身の状態を整えることに有効です。没頭できる趣味や軽い運動など、ご自身にあったストレス解消法を見つけることをオススメします。

わたしがオススメする手軽なストレス解消法は入浴です。湯船に浸かってボーっとするだけで心が落ち着くんですよね。たまに頭の先まで全部湯船に浸かってみるんですが、コレも意外とスッキリしますよ!

食事はなるべく3食バランス良く、野菜を多めの和食中心の食生活ができるといいですね。毎日毎食は難しくても、少しずつ意識してできるところからケアしていきましょう。

和食中心の食生活を

皮膚科の受診

頭皮のかゆみの改善にいろいろやってみてもあまり効果が感じられない場合、むやみに症状を長引かせることは症状の悪化をまねくばかりか薄毛や抜け毛といったさらなる問題をひきおこすことになりかねません。

皮膚科の受診も必要かも

かゆみの原因がはっきりしない場合、早めに皮膚科を受診することも大切なトラブル改善方法です!意外な病気が見つかることもありますので、たかがかゆみとあなどらず対策を取りましょう。

まとめ

いかがでしたか?女性の頭皮のかゆみは原因を取り除けばすぐに改善するものから、長期的に治療が必要なものまでさまざまです。

かゆみは痛みよりも我慢するのが難しいと言われており、とても不快な症状ですよね。さらに頭皮は目で見えない分、雑に扱いがちで頭髪によって薬も効きにくいというマイナス要素があります。

だからこそ丁寧にケアする必要がありますので、かゆみを感じたら放っておかずに早めに対策を取りましょう。