髪の毛は生えれば必ず抜けるものです。しかし、抜け毛の本数が増えると「このまま抜け毛が増え続けるんじゃないか?」「もう生えてこないんじゃないか?」と不安になりますよね?

かくいうわたしも産後の大量の脱毛を経験し、かなり悩みました。しかも抜け毛の悩みってなかなか相談しにくいんですよね。実際相談しても「抜けてるように見えないよ〜」とか「全然大丈夫!」などと流されることがほとんどで、「やっぱり相談しなければよかった。」と落ち込んだものです。

そんな人知れず悩みの多い女性の抜け毛について、わたしの実体験やクリニックでの治療経験をふまえて書いていきますのでどうぞゆっくりごらんくださいね。

女性の抜け毛の症状と原因

抜け毛が気になる!という方の多くには「排水口に溜まる抜け毛の量が増えた」とか「枕やヘアブラシに抜け毛がたくさんつくようになった」といった症状がみられるのではないでしょうか?

まずはそんな気になる抜け毛の症状と原因について見ていきましょう。

抜け毛の症状とは?

成人女性の髪の毛の生え変わりのサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」という時期に分けられ、通常3~6年間かけてくりかえしおこなわれています。そして自然な抜け毛の1日の本数は平均50〜100本で、抜けた毛はハリやコシがあり健康的な毛の状態です。

そのため問題のある抜け毛とは下記のような状態であると言えます。

問題のある抜け毛の特徴まとめ

  • 生え変わりのサイクルの途中で抜ける
  • 抜け毛の本数が1日100本以上
  • 抜け毛の状態はうねりや先の細さがありハリやコシがなく不健康

抜け毛の原因とは?

問題のある抜け毛にはさまざまな原因が考えられます。それぞれの原因についてくわしく見ていきましょう。

問題のある抜け毛の原因まとめ

  • ホルモンバランスの乱れや過度のストレス
  • 病気や薬
  • 食事や生活習慣の不規則
  • ヘアケアの間違い

ホルモンバランスの乱れや過度のストレスが抜け毛を引き起こす

健康な髪の毛の成長には女性ホルモンの「エストロゲン」が不可欠です。エストロゲンには髪の成長を促進し成長期間を持続させる働きや、コラーゲンを生成し髪のハリやツヤのもととなる働きがあります。

ですが生理不順や更年期ではホルモンバランスが乱れ、エストロゲンの分泌低下が見られることが多く髪の成長に影響を及ぼします。産後に多く見られる抜け毛の理由もこれにあたります。

ストレスはホルモンの乱れの原因のひとつ

また人間の体には過度のストレスがかかるとストレスから体を守るための抗ストレスホルモンが放出される働きがありますが、この抗ストレスホルモンは男性ホルモンの一種であるため男性ホルモン優位の状態となり、女性のホルモンバランスの乱れを引き起こすと言われています。

抜け毛の症状が出やすい病気や薬

病気や薬と抜け毛の関係というと、白血病や抗がん剤の副作用が有名ですよね。ドラマや小説で髪の毛が抜けるシーンを見たことのある方も多いのではないでしょうか?

実は他にも抜け毛の症状が出やすい病気があるんです。気になった方は病院の受診を検討してもいいかもしれません。

鉄欠乏性貧血

女性に多い貧血ですが、医学的な貧血の基準は赤血球数(RBC)350万/μl以下、ヘモグロビン濃度(Hb)が12g/dl以下、MCV 80μl以下です。どれも一般的な血液検査に含まれている項目ですので健康診断などで確認することができます。

貧血になると血液中の酸素の運搬能力が落ち、血液の低栄養状態をまねきます。すると「疲れやすさ」「ちょっとした運動(階段の上り下りなど)でも息がきれる」「顔色が悪い」「めまい」などの症状とともに「髪質の悪化や抜け毛」が起こる場合があります。

髪の毛は毛根から成長するのに血液中の酸素や栄養を必要とするため、貧血の状態になると髪の毛の成長がさまたげられてしまいます。

鉄欠乏性貧血が気になる方は内科、血液内科を受診されることをオススメします。

甲状腺疾患

こちらも女性に多い病気のひとつです。甲状腺とはのどの真ん中にある蝶の羽のような形をした臓器で、全身の基礎代謝の調節や臓器の細胞を活性化させる甲状腺ホルモンを分泌します。

甲状腺機能低下症や橋本病といった病気によって甲状腺ホルモンの分泌が減ると、髪の毛を作る毛母細胞の働きがにぶり髪が十分に成長できすヘアサイクルに異常をきたすことで抜け毛が起こるといわれています。

甲状腺疾患には抜け毛の他にも「疲れが取れず気分が落ち込む」「肌が乾燥する」「全身のむくみ」「便秘」「汗が減る」といった症状が強く出る場合が多いです。
原因は不明なことが多いですが、成人女性に多く発症し遺伝の場合もよくみられます。

血液検査でホルモン値を測ることで診断が可能ですので、もし上記の症状が急に出てきたり家族に甲状腺疾患の方がいる場合など気になったら内科、内分泌科を受診されることをオススメします。

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫とはかんたんに言うと卵巣に不要物が溜まってできる良性の腫瘍で女性特有の病気です。卵巣はエストロゲンを分泌するため、腫瘍によりエストロゲンの分泌が減少すると抜け毛の症状が出る場合があります。

卵巣嚢腫の初期は無症状のことが多く、見つけるためには婦人科の定期検診が必要です。女性ホルモンにかかわる抜け毛の相談もできますのでぜひかかりつけの婦人科を見つけることをオススメします。

薬の副作用

薬の副作用の抜け毛も

抗がん剤にはほぼ100%副作用として抜け毛が見られますが、ほかにも抗うつ剤、抗不安薬、性ホルモン製剤や抗甲状腺剤、てんかん治療剤などにも程度は低いですが抜け毛の副作用が見られる場合があります。

薬には効果効能があるかわりに副作用があるものです。大抵の副作用は薬の服用をやめれば元に戻ることが多いですが、薬の服用前にきちんと副作用を確認することも必要です。

食事や不規則な生活習慣の影響

ダイエットによる栄養不足や睡眠不足や入眠時間のバラつきといった生活習慣の不規則などはヘアサイクルに悪影響をおよぼし抜け毛の原因になると言われています。
全身の栄養状態はダイレクトに髪の栄養状態に影響しますし、皮膚のターンオーバーや髪の成長は睡眠中に主に行われているため睡眠や生活習慣の不規則が重なることで抜け毛をまねく可能性があるのです。

ヘアケアの間違いによる頭皮や髪のダメージ

間違ったシャンプー方が抜け毛の原因かも

洗浄力の強すぎるシャンプー剤の使用、シャンプー方法や乾かし方の間違い、ヘアアイロンの使いすぎやエクステの継続使用など、ヘアケアによって抜け毛が起こることも多いんです。

シャンプーに関しては<頭皮のかゆみ徹底解説!女性の頭皮トラブル原因と改善法!>にくわしく書いていますのでぜひごらんくださいね。

ヘアアイロンやエクステの長期継続使用は「牽引性脱毛症」という脱毛症を引き起こすおそれがあります。この脱毛症は髪の毛を強く引っ張ることで起こるといわれており、力が強くかかる生え際に抜け毛の症状が出やすいです。

くわしくは<女性の牽引性(けんいんせい)脱毛症の症状と対策・治療法>にくわしく書いていますのでこちらをごらんくださいね。

ヘアカラーやパーマの抜け毛への影響は?

ヘアカラーやパーマの抜け毛への影響

皮膚科クリニックに勤務していた時に「ヘアカラーやパーマを繰り返すと抜け毛や薄毛になりますか?」という質問をよくいただきました。実際のところどうなのか、気になりますよね?ここではそんな疑問にお答えします。

なんとなく髪のボリュームが減ってきたりまとまりが悪いと感じると、パーマヘアのふんわり感はうれしいですよね。ですがパーマをかけることによって抜け毛が増えてしまったら元も子もありません。

ヘアカラーやパーマと抜け毛の関係

結論から言いますと、ヘアカラーやパーマが直接抜け毛の原因になることはまずありません。ではどうしてヘアカラーやパーマと抜け毛の関係が気にされるのでしょう?実は以下のような原因があるんです。

  • ホームケア製品の間違った使い方
  • 頻回のカラー剤、パーマ液による髪の毛と頭皮へのダメージ
  • カラー剤、パーマ液アレルギーによる皮膚炎

ホームケア製品の間違った使い方も頭皮トラブルの原因

ヘアカラーやパーマ製品はドラッグストアやコンビニで簡単に購入できるため、美容院に行く時間がない時やお金の節約のために使っている方も多いとおもいます。

しかし、自分で手軽にできる反面トラブルが多いのも実際のところ。次のような使い方は髪と頭皮を傷め、頭皮環境の悪化や髪のダメージをまねき抜け毛の原因になることがありますので注意しましょう。

髪や頭皮にダメージを与えるホームケアの使い方

  • 商品説明書を読まずに適当に使う
  • カラー剤やパーマ液を頭皮につけて使う
  • 放置時間を説明書よりも長く置く
  • 洗い流しが不十分
  • 乾かしが不十分

頻回のカラー剤、パーマ液による髪の毛と頭皮へのダメージ

市販のヘアカラーやパーマの使用はもちろん、サロンにおいてもやりすぎは頭皮と髪を傷めてしまいます。抜け毛予防を考えているのであれば、ヘアカラーやパーマは3ヶ月に1回程度にしておくことをオススメします。

そのためには地毛の色と違いすぎるカラーやきついパーマを選ばずに、ナチュラルな範囲にとどめておくこともポイントかもしれませんね。

カラー剤、パーマ液アレルギーによる頭皮の皮膚炎

カラー剤やパーマ液を使った時に頭皮がヒリヒリした経験のある方も少なくないのではないでしょうか?これは頭皮が弱酸性なのに対し、カラー剤やパーマ液がアルカリ性であるため刺激になってしまうからなんです。

もともと敏感肌や乾燥肌の方はもちろん、洗浄力の強いシャンプーを使っている方も頭皮が敏感になっているためカラー剤やパーマ液にアレルギー反応を起こしてしまう場合があります。

すると症状が強く出た場合は「接触性皮膚炎」という皮膚炎を起こし、放置しておくと抜け毛や薄毛の原因になることがあります。

以上のことから、ヘアカラーやパーマと抜け毛に直接関係はないけれど注意して行うことが必要だということがお分かりいただけたかと思います。抜け毛は気になるけれど、おしゃれはしっかりしたいですよね。

ですので髪のおしゃれはしたいけれど抜け毛や薄毛の予防や改善のためのケアもしたい!という方は、ヘアカラーやパーマは信頼のおけるサロンで美容師さんと相談しながらおこなうことをオススメします。

女性の抜け毛を改善!対策法は?

これまでさまざまな抜け毛の症状や原因を見てきましたが当てはまる部分はあったでしょうか?それではここからは実際に抜け毛の症状が出ている場合の対策法を見ていきましょう。

抜け毛改善のためのケアにはさまざまな方法がありますが、おもなものをあげると以下のようになります。

抜け毛改善のためのケアまとめ

  • 食事の改善
  • ヘアケアの改善
  • ホルモンバランスを整える
  • 育毛剤の使用
  • 皮膚科受診

食事の改善で髪と頭皮に栄養を

全身の栄養状態はそのまま髪の毛の状態に反映します。ですので食事は3食バランスよく摂ることが理想的です。それにくわえ、髪の毛の成長にいい食材や栄養素を紹介しますので毎日の食生活にぜひ取り入れてみてください。

タンパク質
髪の毛の90%はケラチンというタンパク質でできていますので、タンパク質の摂取は健康な髪の毛作りに欠かせません!「牛肉」「ラム肉」「卵」「納豆」などがオススメです。

ミネラル
ミネラルのなかの亜鉛やヨウ素は髪の毛の生成に深く関わりがあります。亜鉛は髪の毛の成分であるケラチンの合成に欠かせない物質で、ヨウ素は細胞の活性に関わるホルモンの手助けをしたり頭皮環境を整える役割があると言われています。

亜鉛は「牡蠣」「サバ」「イワシ」「小麦胚芽」などに多く、ヨウ素は「昆布」「ひじき」「わかめ」などに多く含まれているといわれています。

ビタミン

ビタミンは髪にもよい

ビタミン類は皮膚のターンオーバーに欠かせない栄養素です。髪の健康のためにはビタミンA、ビタミンB、ビタミンEが大切ですが、亜鉛の吸収を高める効果のあるビタミンCの摂取もできるといいですね。

ビタミンA、Bの摂取には「豚レバー」ビタミンEは「アーモンド」ビタミンCは「キウイ」「イチゴ」などがオススメです。

髪の毛にいい食材や栄養素とはいえ、極端に摂りすぎると逆効果になることもあります。ですので毎食毎日続けるというよりも、「普段摂っていないな」というものを時々取り入れるくらいの気持ちではじめてみてはいかがでしょうか?

ヘアケアの改善で頭皮環境を整えよう

さきほどヘアカラーやパーマと抜け毛の関係について書きましたが、ヘアカラーやパーマの頻度は3ヶ月に1回以下で信頼のおけるサロンでの施術をオススメします。

そしてホームケアとして重要な毎日のシャンプーについても見直しが必要です。シャンプー剤の選び方や方法、回数、乾かし方まで徹底的に見直してみましょう!くわしくは頭皮のかゆみ徹底解説!女性の頭皮トラブル原因と改善法>をごらんくださいね。

髪に影響を与えるホルモンバランスを整える

女性のホルモンバランスは乱れやすく不安定なものです。婦人科系の病気や更年期が原因の場合は適切な治療で改善する場合もありますが、睡眠不足やストレスといった些細な原因でもゆらいでしまうのが実際です。

まずはストレスを溜めないように「食事」「睡眠」「運動」という3本柱をしっかり意識しましょう。もちろんいきなり全部ととのえることは難しいですし、それがかえってストレスになってしまったら元も子もありません。

例えば「寝る1時間前にはスマホやPCを見ることをやめた」「駅のエスカレーターを階段に変えた」というのも立派な改善策です!

できることから少しずつ、続けられることをやっていくことが大切ですね。ちなみにわたしは抜け毛が気になってから朝食にコップ1杯の豆乳を足しています。「大豆イソフラボンを摂取している」と思うとイライラが減る気がします。

実際の効果のほどはわかりませんが、「髪や体にいいことをしている」と実感することは健康増進のためのたいせつな要因であることは間違いありません!楽しみながらできるといいですね。

育毛剤を使って頭皮をケア

育毛剤も効果的

抜け毛を抑えることや新しい髪の毛を生えやすくするためには育毛剤も効果的です。外用、内服と使い方や成分に違いがあり、種類も豊富なため何を選んだらいいのかわからないと不安になりますよね?

抜け毛や薄毛は症状や原因に個人差が大きいため「これを使えば抜け毛が改善する!」と断言できるものは残念ながらありません。

そのため実際使って試すしかないのですが製品によっては高額だったり定期購入が必要なものも多いため、気になった製品のサイトをくわしく見て「ご自身の症状に合うか」や「お試しサイズや返金制度があるか」といったポイントで選ぶことをオススメします。

他にも育毛剤の選び方のポイントを<女性のための薄毛講座!原因と症状から効果的なケアまで教えます!>に書いていますので合わせてごらんくださいね。

気になったら早めに皮膚科へ

皮膚科の受診のポイントとしては以下を参考にしてみてください。ほうっておくと回復までに時間がかかることが多いため、気になったら早めに皮膚科を受診することをオススメします。

皮膚科の受診のポイント

  • 抜け毛の部分が赤く腫れたり頭皮に問題がある場合
  • 1部分がごっそり抜け落ちて脱毛斑になっている場合
  • 抜け毛の改善策をいろいろ試して全く変化がないか悪化した場合

クリニックで受けられる女性の抜け毛治療とは?

クリニックで受けられる女性の抜け毛治療

皮膚科で受けられる抜け毛の治療には保険診療と自費診療があり、保険診療は現在の抜け毛に対する治療のため予防効果は期待できないことがあります。自費診療は現在の抜け毛の治療に加え抜け毛の予防にも効果がありますが保険が効かないため高額になる場合が多いです。

自費診療は治療の幅が広く、発毛剤の販売から植毛まで様々な治療があります。ご自身の症状やどこまで期待するかをしっかり見極めた上で治療期間や費用をみて治療方法を決めることをオススメします。

気になる場合は一度お近くの皮膚科や育毛クリニックなどに相談してみるとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?女性の抜け毛にはさまざまな理由があり、症状や程度も個人差がとても多いため対策が難しいことがお分かりいただけたかと思います。ですが日常生活のちょっとした見直しで抜け毛が改善することがあるのも女性の抜け毛の特徴です。

抜け毛を目にするとすごく気持ちが落ち込んでしまいがちですが、気にしすぎないことも大切な抜け毛ケアです!あまり思い詰めずにあなたに合った抜け毛ケアをみつけていきましょう。