脱毛症

女性の瀰漫性(びまんせい)脱毛症の原因や対策法とは?

びまん性脱毛とは

「最近髪の毛のトップのボリュームが減ってきた」
「分け目が気持ち広くなった気がする」
「髪の毛1本1本が以前より細くなってきた」

といったこれらの症状、身に覚えはありませんか?実はこれ、女性に多い脱毛症である「瀰漫性(びまんせい)脱毛症」の代表的な症状なんです。

当てはまる症状はあるけど脱毛症ってことは病気なの?と思ったあなた、そうなんです。瀰漫性脱毛症は立派な病気です!

「このまま髪の毛がなくなってしまったらどうしよう」と不安にかられながらもなかなか人に相談できず、深刻に悩んでいる女性は実はとっても多いんです。

じわじわと広がっていく瀰漫性脱毛症を進行させないよう、原因や対策をくわしく書いていきますので、上記の症状がちょっと気になるという方はゆっくりご覧くださいね。

瀰漫性(びまんせい)脱毛症とは?

びまん性とは「病気の症状などが、特定の1ヵ所だけでなく広範囲に広がっており患部を限定できないさま。拡散性、広汎性とも言う。」※1という言葉の意味があります。

つまりびまん性脱毛症とは「頭全体の広い部分で毛が生えなくなる病気」ということになります。

瀰漫性脱毛症になると髪の毛が全体的かつ(均等に)徐々に減っていくため、男性に多い生え際の後退のようなはっきりした見た目の変化はありません。

「なんとなく老けた」「服やメイクとヘアスタイルのバランスが以前より悪くなった」といったはっきりしない程度の印象の変化が女性のびまん性脱毛症の特徴で、初期段階では自分自身で気付かない人も多いのです。

以前は40代後半頃の更年期前後から発症し、加齢とともに進行する脱毛症と言われていましたが、最近では2,30代の女性にも増えているため原因が更年期や加齢のみではないということがわかっています。

びまん性脱毛症になると頭頂部を中心に頭部全体の抜け毛が増え、髪自体が細くコシがなくなっていきます。

その結果髪の密度が減ってしまい、地肌が透けて見えたり髪の分け目が広がって見えることも特徴です。

瀰漫性(びまんせい)脱毛症の原因

実はびまん性脱毛症は次の2種類に分けることができます。症状はどちらもほとんど同じですが、原因が大きく異なってきますのでそれぞれについてくわしく見ていきましょう。

  1. FAGA(女性男性型脱毛症)
  2. 休止期脱毛症

1 FAGA(女性男性型脱毛症)の原因

文字を見ると「女性なのか男性なのかよくわからない!」と思いますよね。これは最近では一般的に知られている「AGA(男性型脱毛症)」の女性版です。

AGAというとCMや広告で見たことがあるかもしれませんが、男性のおもな脱毛症の種類の1つで男性ホルモンが原因と言われています。AGAの特徴としてはえぎわの後退による「M型」と頭頂部に脱毛斑がみられる「O型」が典型的に見られます。

これに対し女性のFAGAではM型やO型の脱毛はみられませんが、原因に「男性ホルモン」が関係することことは共通しています。

「女性なのに男性ホルモンが原因?」と思われるかもしれませんが、実は女性も閉経により女性ホルモンの分泌が減るとホルモンバランスが変化し、男性ホルモン優位の状態になることがあります。

女性のびまん性脱毛症が40代後半以降に多いのは、平均的な閉経の時期であるため男性ホルモンが原因のFAGAになりやすいからなんです。

2 休止期脱毛症の原因

髪の毛は生えてから抜けおちるまでに、髪の毛を成長させる「成長期」、成長が止まる「退行期」、髪の毛が抜け落ちて次の髪の毛が生える準備をする「休止期」という3つの時期を経ます。これを繰り返すことをヘアサイクルといいます。

ヘアサイクルにかかる時間は通常、成長期が4~6年ほど、退行期が2週間~3週間ほど、休止期が2ヶ月~3ヶ月ほどで、髪の毛全体の85〜90%が成長期にあたると言われています。※2

そして休止期脱毛症とは、なんらかの原因でヘアサイクルが乱れ本来成長期のはずの髪の毛が休止期になって抜けてしまったり、休止期が異常に長くなって毛が生えてこない状態を言います。

成長期の髪の毛が急に休止期へ移行するため、比較的健康な状態のしっかりした髪の毛が抜けることが多いのが特徴です。

休止期脱毛の原因は医学的に解明されていない部分も多いのですが、ホルモンバランスや生活習慣が大きく関わると言われており、以下があげられます。

休止期脱毛の原因まとめ

  • 分娩や低用量ピルの服用による女性ホルモンバランスの変化
  • 貧血や甲状腺機能低下症などの病気
  • 過度なダイエットによる栄養不足
  • 過度なストレスによるホルモンバランスの乱れ
  • 間違ったヘアケアによる頭皮環境の悪化

これらは20~30代の若い女性にも多くみられる要因ですよね。

FAGAが更年期前後をきっかけに発症することが多いのに対し、休止期脱毛症はどの年代の女性にも発症する可能性があることがお分かりいただけると思います。

瀰漫性(びまんせい)脱毛症の対策方法

徐々に髪の毛全体が薄くなっていくびまん性脱毛症になると、「このまま抜け続けて治らないのでは?」と不安に襲われる方が多いことでしょう。でも安心してください。びまん性脱毛症は正しい対策で症状の進行を遅らせたり、改善させることができるんです!

ここからはびまん性脱毛症の正しい対策方法について見ていきましょう。

  1. ホルモンバランスを整える
  2. ヘアケア方法の改善
  3. 育毛剤の使用
  4. 生活習慣の見直し

1 ホルモンバランスを整える

FAGAと休止期脱毛の両方に共通して必要なケアがホルモンバランスの改善です。特に大切なのが女性ホルモンの1つ「エストロゲン」を増やすことです。

エストロゲンにはヘアサイクルの成長期を維持して髪の毛の成長をうながしたり、コラーゲンの合成に作用して髪の毛のコシやハリを生み出すといった健康な髪の毛になくてはならない働きがあります。

エストロゲンの分泌量は加齢や閉経によって自然に減少していきますが、生活習慣の乱れやストレスによっても減ってしまいます。しかしストレス対策や良質な睡眠時間の確保、適度な運動や食生活の改善によって分泌の減少をおさえることも可能です。

大豆製品も積極的に取り入れましょう

大豆製品などに多く含まれる「イソフラボン」は体内でエストロゲンと似た働きをするため、毎日の食事に取り入れるのもオススメです。イソフラボンについては後ほど食事の改善の部分でくわしく書きますね。

2 ヘアケア方法を改善し頭皮環境を整える

びまん性脱毛症に悩む方はヘアケア方法を見直すことも重要です。間違ったヘアケアは頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌などを引き起こし、頭皮環境の悪化を招くことがあるからです。

シャンプーの選び方や髪の洗い方は間違っていませんか?ヘアカラーやパーマも方法や頻度によっては頭皮を痛める原因になります。ぜひこの機会に普段のヘアケアを振り返ってみてくださいね。

正しいシャンプー方法とは?

くわしくは「正しい髪の洗い方で頭スッキリ!」をごらんください。

カラーやパーマのダメージとは?

くわしくは「女性の抜け毛の原因と効果的なケア」をごらんください。

3 育毛剤を使って頭皮をケア

育毛剤も効果的

女性用育毛剤の使用もびまん性脱毛症には効果的な場合が多いです。女性用の育毛剤にはアルコールや石油系界面活性剤といった添加物が無添加のものや、保湿成分を多く配合した頭皮に優しいものがたくさんあり、安心して使うことができます。

生活習慣の見直しや頭皮環境の改善とあわせて育毛剤を使うことで、より有効成分の効果が期待できます。育毛剤だけに頼らず色々な方向から対策することも必要ですね。

4 生活習慣の見直し

良質な睡眠の確保と適度な運動、規則正しい食事も女性のびまん性脱毛症にとっては重要です。生活習慣を一気に変えることは難しいので、できることだけ少しずつ始めていきましょう。

睡眠の改善し成長ホルモンの分泌を促す

髪の毛は主に、睡眠中の成長ホルモンがたくさん分泌される寝入りから3時間の「睡眠のゴールデンタイム」に成長します。

睡眠不足や入眠時間のバラつき、ブルーライトによる睡眠の質の低下などは瀰漫性脱毛症の症状の進行に影響するため改善が必要です。

  • 睡眠時間は少なくとも6時間確保する
  • 入眠時間を決める
  • 入眠の2時間前からはスマホやPCの画面を長く見ない

といったことに注意してみましょう。

女性の薄毛と睡眠の関係とは?

くわしくは「 女性の育毛・薄毛と睡眠の関係 」をごらんください。

毎日の食生活に髪の毛の成長に効果的な栄養を摂り入れよう

瀰漫性脱毛症の改善には健康な髪の毛を育てることが重要です。髪の毛も体と同じく細胞分裂によって成長しますので、いい食事をとることによって作られる栄養と酸素たっぷりの血液が不可欠です!

髪の毛の成長に効果的な食材や栄養素を紹介しますので毎日の食生活にぜひ取り入れてみてください。

和食は栄養バランスよし

ただし、いくら髪にいいからと同じものばかり食べては栄養バランスが悪くなってしまいます。一汁三菜の和定食メニューのようにバランスのいい食事を土台にして、髪にいいものに置き換えたり追加することが理想的です。

タンパク質
髪の毛の90%はケラチンというタンパク質でできていますので、タンパク質の摂取は健康な髪の毛作りに欠かせません!「牛肉」「ラム肉」「卵」「納豆」などがオススメです。

ミネラル
ミネラルのなかの亜鉛やヨウ素は髪の毛の生成に深く関わりがあります。亜鉛は髪の毛の成分であるケラチンの合成に欠かせない物質で、ヨウ素は細胞の活性に関わるホルモンの手助けをしたり頭皮環境を整える役割があると言われています。

亜鉛は「牡蠣」「サバ」「イワシ」「小麦胚芽」などに多く、ヨウ素は「昆布」「ひじき」「わかめ」などに多く含まれているといわれています。

ビタミン
ビタミン類は皮膚のターンオーバーに欠かせない栄養素です。髪の健康のためにはビタミンA、ビタミンB、ビタミンEが大切ですが、亜鉛の吸収を高める効果のあるビタミンCの摂取もできるとさらに効果的ですね。

ビタミンA、Bの摂取には「豚レバー」ビタミンEは「アーモンド」ビタミンCは「キウイ」「イチゴ」などがオススメです。

イソフラボン
前述の通りイソフラボンにはエストロゲンに似た働きがあるため、瀰漫性脱毛症の原因の1つである「男性ホルモン優位なホルモンバランス」を改善する効果が期待できます。

しかし最近の研究では、大豆イソフラボンを摂取しても体内で「エクオール」という物質に変換できなければエストロゲンのような働きは期待できないことがわかっています。※1

イソフラボンをエクオールに変換できるのは日本人の約5〜60%程度と言われており、変換できる人の多くに大豆製品を毎日のようによく食べる傾向があることがわかっているそうです。※2

以上から瀰漫性脱毛症の対策には大豆製品(納豆、豆腐、味噌、醤油など)を日々のメニューに加えることをオススメします。大豆製品のなかでも味噌や醤油など麹菌で発酵させたものが特にエクオールに変換しやすいというデータもありますので参考にしてくださいね。※1

瀰漫性(びまんせい)脱毛症のクリニックでの治療とは?

脱毛症のクリニックでの治療

原因がはっきりわかっている場合、初めから医療機関に受診することで脱毛の症状を早く改善することができるのもびまん性脱毛症の特徴です。

脱毛症状にその他の病気が関係していない場合、クリニックでの治療はほとんどの場合自費診療になると思っていただいていいでしょう。髪の毛が抜けるという現象自体は自然なことのため保険適応が認められないのです。

クリニック受診のメリットとして、プロに相談ができることや写真撮影による効果判定が他者の目も加えてできること、治療効果に応じて他の治療も試せることなどがあります。

どれもセルフケアではなかなかできないことですし、髪の毛の悩みについて話ができるというだけでもクリニックを受診する価値はあるかもしれませんね。気になるならクリニックに問い合わせて相談をしてみると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?女性のびまん性脱毛症について、原因やケア方法など参考になる部分はありましたか?びまん性脱毛症は正しいケアを続けることで症状の改善が期待できる脱毛症です。「もしかしたら?」と思ったらはやめに対処することが大切ですよ。