「なんとなく頭がかゆい」と思っているうちに頭全体から大量のフケが出てきた…。という症状が気になる方、もしかして抜け毛にも悩んでいませんか?その症状、「粃糠性(ひこうせい)脱毛症」が疑われます!

粃糠性脱毛症は女性の脱毛症の中では比較的珍しいタイプで、残念ながら自然治癒はあまり期待できません。しかも放置しておくとどんどん症状が悪化し、抜け毛の改善も難しくなってしまいます。

そんな粃糠性脱毛症についてくわしく見ていきます。自分でできるケアや医療機関での治療内容についても紹介しますのでぜひ粃糠性脱毛症対策の参考にしてくださいね。

粃糠性脱毛症とは?

粃糠性脱毛症における「粃糠(ひこう)」とは、頭皮の表皮上層が米ぬか様に剥がれ落ちた角質片、つまりフケのことを指します。

粃糠性脱毛症とはなんらかの原因で大量発生したフケが毛穴に詰まり、皮膚炎が起こることで発症する脱毛症のことを言います。粃糠性脱毛症による抜け毛は、頭皮の炎症部分の髪が徐々に減っていくことや、髪質が細く柔らかく変化するのが特徴です。

軽いブラッシングで多量にフケが落ちてくることも

粃糠性脱毛症で見られるフケは白や灰色をしており細かく乾いています。シャンプー後や軽いブラッシング、または髪を軽く振る程度で多量に落ちてくるようなフケの異常大量発生と同時に頭皮に赤みやかゆみが出ることが多いのも粃糠性脱毛症の特徴です。

粃糠性脱毛症の特徴をまとめると次の3つになりますので、ご自身の症状と比べてくださいね。

粃糠性脱毛症の特徴をまとめ

  • 白く乾いたフケが大量発生する
  • 頭皮に赤みやかゆみといった炎症症状が見られる
  • 髪質の軟毛化や炎症部分の髪が徐々に抜けていく症状がみられる

粃糠性脱毛症と脂漏性脱毛症の違い

  1. フケの異常大量発生により頭皮の毛穴が詰まる
  2. フケを餌に頭皮の常在菌や雑菌が繁殖する
  3. つまった毛穴が炎症を起こす
  4. 炎症が毛根に及び髪が抜ける

以上が粃糠性脱毛症発生のメカニズムですが、実は「脂漏性脱毛症」とよく似ています。

脂漏性脱毛症の場合は⒈の段階が《皮脂の過剰分泌による頭皮の毛穴詰まり》という点で粃糠性脱毛症と異なりますが、⒉以降は粃糠性脱毛症と同じ経過をたどります。

脂漏性脱毛症の場合は皮脂の過剰分泌によりベタベタと脂っぽい固まりのフケが出るのに対し、粃糠性脱毛症の場合は乾いた細かいフケが大量に出る点も異なります。
とはいえ双方ともに炎症症状が進んでしまうとなかなか区別をつけるのは難しく、実際の治療現場でも頭皮の炎症が治まって初めてどちらの脱毛症か判明した。というケースは少なくありません。

そのためできるだけ初期の段階で適切なケアをすることが大切だと言えるのです。

脂漏性脱毛症は頭皮の皮脂分泌異常が原因となって起こります。脂漏性脱毛症についてくわしく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

粃糠性脱毛症の原因は頭皮の角質異常

上記のように粃糠性脱毛症の原因は頭皮の角化異常によるフケの大量発生です。しかし、なぜ頭皮の角化異常が起こるのか?についてはいまだにわかっていません。

皮膚の免疫異常や皮膚炎を起こしやすい人がなりやすいことからアレルギー体質が関与しているという説や、ストレスや男性ホルモンの関与説もありますが、どれも確証は得られていないのです。

そんななかで、現在のところ頭皮の角化異常をもたらす可能性としてあげられる要因には次のようなものがあります。

角化異常につながる可能性の要因

  • アトピー性皮膚炎やアレルギーなどの疾患
  • 低体温による代謝の悪化
  • シャンプーや整髪料による刺激
  • シャンプー方法や回数、乾かし方の間違い
  • 食生活や生活習慣の乱れ

頭皮の角化異常のケア方法

ここまでみてきたように粃糠性脱毛症の症状を抑えるには、フケの発生予防と頭皮環境の改善が必要です。頭皮の角化異常の原因が特定できないため対症療法中心になりますが、再発の多い粃糠性脱毛症のケアには日々の生活改善がとても大切です。

対症療法とともに自己免疫機能を高めるケアを紹介しますのでぜひ参考にしてくださいね。

自律神経を整える代謝の悪化を予防

頭皮の角化異常の原因の1つに低体温による代謝の悪化があげられます。そして低体温をまねく原因となるのが、体温調節機能をつかさどる自律神経の乱れです。

自律神経には体を活発に活動させ興奮状態に導く「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」があり2つの神経が交互に働くことでバランスを保ち自分の意志では動かせないけれど、生命活動に関わる重大な部分の働きをしています。

体温調節機能も生命活動に関わる大事な働きですが、過度のストレスなどで自律神経のバランスが乱れ交感神経優位の状態になると、血管の収縮や発汗促進により体温調節機能が正常に働かず低体温症状が出現します。

つまり、自律神経を整えて体温調節機能を正常に働かせることで、頭皮の代謝も正常化し角化異常をケアすることにつながると言えます。

早寝早起きは大事です

自律神経を整えるには、早寝早起きで体内時計を毎朝リセットするような生活習慣の改善や適度な運動が効果的と言われています。朝日を浴びることとともにストレッチやヨガなど簡単な運動を始めてみることをオススメします。

シャンプー剤や整髪料の見直して頭皮環境の改善を

シャンプー剤や整髪料の見直しを

粃糠性脱毛症の頭皮は炎症が常に起きており、かなり敏感な状態のためできるだけ刺激を与えないことが大切です。ですが頭皮環境の改善には頭皮の清潔も大切です。そこで洗浄力がやさしく、人体と同じアミノ酸でできており頭皮への刺激が少ない「アミノ酸系シャンプー」の使用がオススメです。

市販のシャンプーでは「ラウロイルメチルアラニン」「ココイル◯◯」「◯◯ベタイン」などが成分表示の始めの方に書いてあるものを選びましょう。

ちょっと注意が必要なのが「アミノ酸配合シャンプー」の場合です。

アミノ酸配合シャンプーとは、合成界面活性剤がメインでもアミノ酸が少量でも配合されていれば「アミノ酸配合シャンプー」と記載できます。シャンプーを選ぶ際は成分表示をしっかりチェックして選びましょう。

また髪の動きでフケが落ちることを気にして整髪料を使いたい気持ちはわかりますが、整髪料は頭皮につくと炎症を悪化させてしまいます。できるだけ避けたいですがどうしても使いたい場合は頭皮につかないよう毛先のみに使い、かならず寝る前に洗い流すようにしましょう。

フケ対策の洗いすぎは厳禁!シャンプー方法、回数、乾かし方も見直しを

粃糠性脱毛症ではフケが大量に出るため、頻繁にシャンプーをしてフケを改善しようと思う方もいらっしゃると思います。ですがフケはシャンプーでは改善しません!フケ対策に1日に何回もシャンプーをしている場合はすぐにやめましょう。

シャンプーは1日1回で十分です。回数に加えシャンプー方法、乾かし方については<頭皮のフケ徹底解説!女性の頭皮トラブル原因と改善法>に理由や具体的な方法まで詳しく書いていますのでぜひ参考にしてください。

粃糠性脱毛症のフケは頭皮の角化異常です。けして不潔ではありませんし、洗いすぎると頭皮の炎症を悪化させ治癒の遅れをまねくことにも!

食生活や生活習慣の見直して体内から環境を整えよう

ビタミン摂取も積極的に

フケ対策と頭皮の炎症を改善するには食生活も重要です。頭皮環境を健康に保つにはビタミンC、B、Aを積極的に摂りましょう。頭皮の血行をよくすることで新陳代謝をうながします。

特にビタミンB2、B6、Cはクリニックでの粃糠性脱毛症治療時に処方されることもあり有用性が高いといえますので、より意識して毎日の食事に取り入れてくださいね。

ビタミンAは皮膚や粘膜を増強し、細胞を活性化する働きがあります。ほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜に体内に吸収されやすいベータカロテンとして多く含まれています。

ビタミン摂取も積極的に

ビタミンCは抗炎症作用があり、イチゴやレモンなどのフルーツに多く含まれています。

ビタミンBは種類がいくつかありますが、粃糠性脱毛症にオススメなのはビタミンB2とB6です。ビタミンB2は皮脂の分泌を抑制し、細胞を活性化する働きがあります。豚レバーやニンニクやのりなどに多く含まれています。

ビタミンB6は皮膚や髪の毛の再生や新陳代謝にかかわります。ピスタチオや鶏肉、カツオやマグロに多く含まれています。

喫煙を控えるのも大事

アルコールやタバコ等嗜好品を控えることも頭皮環境の改善に役立ちます。多量のアルコールやタバコは血管を収縮させ血行不良をまねきます。全身の血流が滞ると当然頭皮にも酸素や栄養が不足し炎症や角化異常をさらに悪化させてしまいます。

粃糠性脱毛症はアレルギーとの関わりも指摘されているため、頭皮だけの問題ととらえずに全身の体内環境を整えることを意識することが大切です。できることから改善していきましょう。

粃糠性脱毛症のクリニックでの治療とは?

粃糠性脱毛症の初期段階は頭皮のかゆみと炎症が主な症状です。気づいたときに早めに皮膚科を受診することも大切なトラブル改善方法です。

アトピー性皮膚炎やアレルギーなどの改善が粃糠性脱毛症の改善につながる場合もあります。意外な病気が見つかることもありますので受診のタイミングを逃さないようにしましょう。

粃糠性脱毛症の皮膚炎は脂漏性皮膚炎の症状とよく似ているため脂漏性皮膚炎と同じ治療となります。皮膚科が専門ですので受診を検討される方は皮膚科をおすすめします。

まとめ

粃糠性脱毛症の主な症状である大量のフケはあまりいいイメージがないため、身だしなみに気を使う女性にとってはかなりストレスになることでしょう。

自分でできるケアはもちろん、医療機関での治療も併用することが早期治療にとってたいせつです。なかなか改善しない場合はぜひ医療機関に相談してくださいね。